[2001.03.20]
  北の国の話


 ▼アーケードからカプコンが撤退? 一部新聞が報道、その真相は?(geisen news)
  http://geisen.com/news/gnw20010319001.htm


 春のない冬。幻想でしかない春。冬を耐えるものに春が来る(過去記事)と思いたいけど,でも,きっと,あまり,もう。

 カプコン社がアーケードゲーム市場から撤退するという報道が,一部新聞でなされた。カプコンは,縮小はあっても,撤退することはないと否定。月末の東京ゲームショウにも,アーケードの新タイトル発表を予定しているとのこと。

 北の国に行ったことがある。日本の寒さなど,比べ物にならない,北の街だ。冬に太陽をみることなどない。いつも,鉛色の空が覆い,そしてしきりに雪を落とす。毎日毎日,来る日も来る日も,雪かきをする人々,暖房のための灯油を運ぶ人々,足下の覚束ない道を買い物に向かう人々。…自堕落な私は思う。もっと,南に行けばいいのに。そうすれば,なにも苦労をする必要もないのに。でもきっと,その地で生活をしている人は,その地で生き続ける。私も,雪の降る街で育ったから,それはわかっているつもりだ。でもね。思った。人が暮らす街として,その苦労は重すぎるんぢゃないかと。

 もしかしたら,もう春はこないんぢゃないかと思うゲーム業界。あまりにも長く,熱はとどまってくれていたが,それもすっかり冷めてしまった。ゲームは,ムーブメントでしかなかったのか? 一瞬の熱病でしかなかったのか? ゲームに対する認識が足りないゲームハードが売れるのは,誰もゲームをまともにみていないからだ。ことあるごとに,いろいろな人が再び熱気を呼び起こそうとしているが,結局,さっぱり,からきし,ことごとく。そして,猛冬は,これからやってくる。


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